蓄音機の普及に一役買おうぞっ!

ビクターのロゴを見ながらふと思うのは、蓄音機って再生専用機なのに、なぜ「蓄音」機なんだろうってこと。どちらかと言うと「放音」機なのでは?とか思うわけで。

ちなみに蓄音機は英語で[gramophone]というそうで。最初は[gramo=グラム]のことかと思ったけれども、どうやらギリシャ語で「書く」を意味する[graphein]が語源らしいです。英語でも再生専用機なのにやっぱり「蓄音」機。
そうか!英語からしておかしいから日本語訳もヘンなんだな!<(+_+)>

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閑話休題
SP盤から奏でられるアナログチックな柔らかい音に惹かれる人が増え、蓄音機の存在が見直されつつある昨今。しかし意外なことにその針についてはあまり広くしられていないと思う。
これから蓄音機入門!って人のためにも、ここは一つレコードの「針」に注目して、正しいレコード盤使用のさらなる刷新に当てようではないか!( `Д´)/


…と言うわけで、まずレコード針の種類。
そう、種類ですよ。針はぜんぶ鉄だろうとか思っていたアナタ!そこのアナタ(って誰?)!!レコードの針にもいろいろあるのですよ。

レコードの針には代表的なものだけでも4種類ほどあります。
まずは一番ポピュラーなのが鉄製の針ですね(^ー^)細かく別けると針の堅さで更に3〜5種類に分類されますが*1。たぶんアナタ(だから誰やねん?)もこの鉄製の針をお使いでしょう。だが、しか〜し!ここでちょっと注意を。

鉄製の針を使ってSP盤を1枚再生したら、もうその針は捨てです!交換してください!蓄音機のサウンド・ボックス*2はとてもに重たいので、1面かけるだけで鋼鉄製の針でも擦り減ってしまうのです。もし、磨り減って傷んだままの針を使ってると、大事なSP盤はアッと言う間に天に召されてしまいますよ〜 (((;゜Д゜)))ガクガクブルブル
基本はSP盤1枚につき、鉄針1本です(^ー^)d


つぎに有名なのが竹で出来た針ですね。こんなヤツです(左)→
コレを竹針カッター(写真・右)というもので切って尖らせてから使います。鉄針ほどに鮮明には再生されませんが、とても柔らかくアナログの極みというようなサウンドが楽しめます♪
なによりSPの盤面を傷つけにくいので、個人的にはオススメでっす(*^0^*)


ところで、先ほどSP盤1枚につき鉄針1本と書きましたが、1本で30面も再生できるクロミウム針というものがあります。第三の針です。
「なんだよ!言ってることがさっきと違うじゃないか!」とお思いのア・ナ・タ。クロミウム針はものすご〜く硬い針です。当然、SP盤を傷つける可能性大爆発なわけで。僕的には絶対にオススメしない針です。と言うか存在意義不明の危険な針なのです。


そして最後にご紹介するのがソーン(thorn)針。辞書で[thorn]を引いてみると「とげ」と出てきます。そう、ソーン針とはなんとサボテンのとげを削って作られた針なのです!

しかもワシントン条約で、あのサボテンは「絶滅しちゃうから保護しなくちゃいけないモノ」に指定されてるそうで、手に入りにくい上にお値段もかなり高いです。
WEBで検索したところ10本で3150円。同じサイトで鉄針が100本840円で売られているから、30倍以上の高値です!しかも使った人の感想によると磨耗が早い!
お財布に余裕がある人だけ使ってくださいm(_ _)m


SP盤の楽しみは「聴く」ことはもちろん「大切に保存」することにあります。
せっかくの貴重なSP盤。お財布と相談しながら上手く付き合っていきたいものですね(´∀`)

*1:堅さによって再生される音のシャープさと音量が変わります。

*2:音は空気の振動で、太鼓やスピーカーのように振動するものから音が発せられます。レコードには歌手や楽器が発した音の振動が溝の蛇行として記録されているので、この蛇行を再び空気の振動にもどしてあげれば音を再生することが出来ます。この、レコードの溝の蛇行を音にもどす装置がサウンドボックスというのです。