吸いません?すいません、吸いません。

市の宣伝カーによると府中駅周辺もついに「禁煙指定地域」になったそうです。愛煙家の方々、胸中お察しいたします。
ところで、禁煙といえばヒマラヤのふもとの小さな仏教国ブータンは、世界最初の完全禁煙国を目指して、政府が今年中にも国内全面を禁煙にする方針を打ち出したそうです。しかも、国外からブータンにタバコを持ち込む人には100%の関税がかかるとか(;´Д`)なかなかハデな改革です。改革が成功すればプログラマーが移住したくない国ナンバー1」の称号は、間違いなくブータンのものになるでしょう(笑)
ブータンと言えば、ワンチュク国王の指示のもと、国家予算の約一割を注いでまで確立させた原則無料の医療体制ですね。まさに1945年の英国総選挙で、戦争の英雄ウィンストン・チャーチルを破った当時の労働党党首クレメント・アトリーが打ち出した「ゆりかごから墓場まで*1」の再現です。まぁ、元祖・英国の方の医療体制は財政悪化が過ぎて1993年、マーガレット・サッチャー首相によって縮小(事実上の撤廃)に追い込まれましたが(;_;)
いやいや、話がズレました。ブータンでは、すでに全国20県のうち19県が「スモークフリー(無煙)」を表明したそうです。この禁煙政策を推し進めている中心人物・ジグミシンゲイ保健教育相は、「喫煙には三害がある」として国民に強く禁煙を訴えかけています。ではその「三害」とは何ぞや?
ひとつは「宗教上の害」。チベット仏教では欲望におぼれる行為を厳しく戒めており、古くから喫煙を罪悪とみる文化が浸透しているのだそうです。そんなブータンの「禁煙運動」の歴史は古く、17世紀前半に同国を統一した高僧ナムギェルが信者の喫煙を禁止したことに始まりました。現在でも喫煙を「悪」とみなす考え方は強く、今回の禁煙政策でも、地域の指導者である僧侶たちが政府に協力して住民に禁煙を説いて回ったといいます。宗教が指針となってる国ならではの政策と言えますね。日本じゃ絶対、タレントやアイドルが呼びかけた方が効果高いでしょうf(´∇`;)
二つ目は「健康上の害」。まぁ、これは納得。ご存知、世界保健機構(WHO)によると喫煙での死者は年間で約500万人にも上るそうです((( ;゜Д゜)))
エイトマン』みたいにニコチンパワー!ヽ(`Д´ )ノとか叫べるといいのですが*2、実際には弾丸より速く走れるわけでもないですし。走ってどうするわけでもないですし。むしろ息切れるわ…(;´Д`)
しかもタバコ(ニコチン)の依存性の高さと言ったら、コカインやマリファナより上で、ヘロインと肩を並べるほど。さらに、禁煙に成功した人でも、そのうちの50〜75%が一年以内に再び喫煙をするくらいですから。健康上の問題に関しては議論の余地がありませんね。
三つ目は「経済的損失」だそうです。タバコ市場がなくなる方が経済的損失じゃないの?とか思うのですが。保健教育相によると、「タバコの売買も富を生む経済活動に違いないが、害悪に富を注ぐのは損失」だそうです。そ〜いうもんですか?
独特の主張によって禁煙政策を進めるブータンですが、まだ無煙宣言してない県があるのです。その最後の「喫煙天国」として残ったのが首都ティンプー国政の中心が最後かよっ(;´Д`)ノと思うなかれ。なんせ、その首都ティンプー、人口わずか3万人弱のド田舎ながら、衛星テレビなどで欧米流の生活スタイルが流入し、喫煙を「カッコええやん!」と思う若者も多いのです。保健教育相は「最後の難関だが、完全禁煙を実現して国民の誇りにしたい」と禁煙政策に意欲マンマンのようですが…。そのわりに禁煙を義務づける法律や喫煙への罰則が存在しないのはどういうこと?と思うのです。先にスモークフリー宣言した19県の人たちはホントに吸ってないのだろうか?いささか疑問であります。
首都ティンプーでも今年の11月からタバコの販売が全面禁止になることが決まったそうですが、果たしてどうなる完全禁煙国家?

*1:そう言えば交響詩にも同名の作品があります。リストという作曲家の晩年(1881)の作品だったかと。

*2:ふ、古ぅ!いったいいくつだ!?(笑)