ステテコとモモヒキ。

久しぶりに雑記を書きます。と言うのも、昨日の『CATS』観劇後にChisaki嬢が変なことを言ったからなのですが。
曰く、ステテコとモモヒキってどう違うの?
乙女がどうしてそんな事に興味を持つのかは分かりませんが、スタバでホットココアを飲みながら投げかけられる質問としてはかなりシュールな部類に入ると思います。
さて、そのステテコとモモヒキ(股引)。どちらも「メンズインナー」と言えば聞こえはいいですが、簡単に言ってしまえば「ズボン下」のことです。
ステテコがフィット感のないひざ下丈の白いズボン下なのに対し、モモヒキはフィット感があり、丈が足首まであるものを指します。つまりモモヒキは「ステテコの冬物」と考えて頂いて結構かと。
「え?肌色のやつをモモヒキって言うんじゃないの?」と思ったあなた。さては現代っ子を気取ってますね?あれは猿股というもので、素肌に身につける防寒下着。猿回しのサルが履いていた事が語源だそうです。ちなみに、あの色をど〜いうわけか「ラクダ色」と表現します。ラクダの色をすぐに思い描ける人が多いとは思えませんが…。
さて、話は戻ってステテコどっこい♪え?その「ステテコどっこい♪」ってのは何だ?これぞステテコの歴史の出発点!その名も「ステテコ踊り」の一節なのですヽ( `∀´)ノ
そもそも、このステテコと言う変な名前。元を正せば落語の世界で誕生したもので、明治初期の落語家・初代三遊亭円遊(1849〜1907)がその生みの親とされています。
初代三遊亭円遊は、様々な芸をこなす新進気鋭のパフォーマーで、落語のほかに「滑稽踊り」と呼ばれるアホ踊りの名手でした。まぁ、アホな動きをさせたら日本一の人という事です(笑)
その彼が自分の講談に、白い薄手のモモヒキ姿で登場して「スッテテコ、スッテテコ♪ステテコどっこい♪」と節を付けて歌い踊ったことがありました。この奇抜な滑稽踊りは、たちまち評判を呼ぶところとなり、「ステテコ踊り」と呼ばれるようになったのです。そしていつしか、着物の下にはく短い白い薄手のズボン下そのものが「ステテコ」と呼ばれるようになった、というわけです(*´∀`)
昨今の日本では、ババシャツなるものが冬の市民権を獲得しつつありますが。ステテコの方だって市民権を得てもいいかも知れませんね。